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経営管理ビザ更新で売上が少ない場合はどうなる?更新申請で確認されるポイント

経営管理ビザ更新で売上が少ない場合の審査ポイントを解説するアイキャッチ画像

経営管理ビザの更新を控えている経営者の方から、

「売上がまだ少ないのですが、更新できますか?」

「前回の申請時に作った売上計画を達成できていません」

「会社は赤字ではないものの、売上規模が小さいので不安です」

といったご相談を受けることがあります。

結論からいうと、売上が少ないという理由だけで、直ちに経営管理ビザが更新できなくなるわけではありません。

出入国在留管理庁が公表している事業継続性の判断の考え方でも、単年度の決算だけではなく、直近2期の決算状況、売上総利益、欠損金や債務超過の有無、今後の事業計画や資金調達などを踏まえて判断する考え方が示されています。

一方で、売上が少ない場合には、

「実際に事業が行われているのか」

「今後も事業を継続できるのか」

「経営者として継続的に活動しているのか」

といった点について、通常以上に丁寧な説明が必要になることがあります。

また、2025年10月16日から経営管理ビザの基準が改正され、資本金等3,000万円以上、常勤職員の雇用など新たな基準が設けられました。

既に経営管理ビザで在留している方については、2028年10月16日まで経過措置が設けられていますが、更新審査では経営状況や今後新基準を満たす見込みなども確認されます。

本記事では、経営管理ビザの更新時に売上が少ない場合、どのような点が確認されるのか、どのような資料や説明を準備した方がよいのかについて、中小企業診断士・行政書士の視点から解説します。


経営管理ビザの更新に「最低売上高」はあるのか

経営管理ビザの更新を考える際に、まず気になるのが、

「年間売上はいくらあれば更新できるのか」

という点です。

しかし、出入国在留管理庁が公表している事業継続性の判断基準は、単純に「年間売上○万円以上」という形にはなっていません。

事業の継続性に関する具体的な考え方については、出入国在留管理庁の「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」でも公表されています。

事業の継続性については、直近2期の決算状況などを踏まえて総合的に判断する考え方が示されています。

したがって、

売上が1,000万円あれば必ず更新できる

あるいは、

売上が500万円しかなければ更新できない

といった単純な判断はできません。

重要なのは、売上の金額だけではなく、

・どのような事業を行っているのか
・実際に取引が継続しているのか
・売上総利益が確保できているのか
・赤字や債務超過になっていないか
・会社に資金が残っているか
・今後売上を増やせる見込みがあるか
・経営者本人が実際に経営活動を行っているか

といった点を総合的に確認することです。


売上が少なくても更新の可能性があるケース

売上規模が小さくても、その理由を合理的に説明できる場合があります。

1.創業から間もない場合

経営管理ビザを取得して会社を設立したばかりであれば、初年度から十分な売上を確保できないことも珍しくありません。

たとえば、

・店舗の開業準備に時間がかかった
・許認可の取得に時間を要した
・商品開発に一定期間を要した
・営業開始から契約獲得まで時間がかかった
・取引開始時期が当初予定より遅れた

などの事情が考えられます。

このような場合には、単に「初年度だから売上が少ない」と説明するのではなく、

なぜ売上が少なかったのか、現在はどこまで事業が進んでいるのか、今後どのように売上を確保するのか

まで説明することが重要です。

2.高単価・少数取引型の事業である場合

事業によって、必要となる取引件数は大きく異なります。

たとえば、BtoBのコンサルティング、貿易、不動産関連、高額商品の販売などでは、飲食店や小売店のように毎日多数の顧客と取引するとは限りません。

取引件数が少なくても、

・1件あたりの取引金額
・粗利益
・継続取引の可能性
・取引先との関係
・商談状況

などを説明することで、事業実態を示せる場合があります。

3.売上は少ないが利益が確保できている場合

売上高そのものが小さくても、粗利益率や営業利益率が高い事業もあります。

たとえば、在庫をほとんど持たないサービス業では、製造業や卸売業と比べて少ない売上でも利益を確保できることがあります。

重要なのは、

売上高だけで会社の経営状態を判断しないこと

です。

売上総利益、営業利益、当期純利益、現預金、純資産などもあわせて確認する必要があります。

4.現在は売上が改善している場合

決算書上の年間売上は少なくても、決算後に売上が増加していることがあります。

この場合には、直近の試算表や月次売上資料などを利用して、

「前期決算時点では売上が少なかったが、今期は改善している」

ことを示せる場合があります。

たとえば、

・新規取引先との契約が始まった
・新店舗をオープンした
・新商品・サービスの販売を開始した
・広告施策によって顧客数が増えた

といった変化があれば、その内容と数字を結びつけて説明します。


売上が少ない場合に特に確認されやすいポイント

1.事業実態があるか

売上が極端に少ない場合には、

「そもそも会社が実際に事業を行っているのか」

という点が重要になります。

事業実態を説明する資料としては、たとえば、

・売上台帳
・請求書
・契約書
・銀行口座の入出金
・取引先とのやり取り
・店舗や事務所の写真
・Webサイト
・SNS
・予約サイト
・広告資料
・商品写真
・仕入関係資料

などが考えられます。

決算書だけでは事業実態が十分に伝わらない場合には、このような資料を整理することが重要です。

2.なぜ売上が少なかったのか

売上が少ない場合には、その原因分析も必要です。

たとえば、

「想定よりお客様が来なかった」

だけでは十分な説明になりません。

もう少し具体的に、

・開業時期が予定より3か月遅れた
・広告開始が遅れた
・想定していた取引先との契約が延期された
・仕入れが遅れ、販売開始が後ろ倒しになった
・人員不足により十分な営業活動ができなかった

など、売上未達の原因を整理します。

重要なのは、過去の数字を取り繕うことではありません。

売上が少なかった原因を正しく把握し、それに対して現在どのような改善を行っているのかを説明することです。

3.今後売上が増える根拠があるか

「来期は売上が増える予定です」

だけでは、将来計画として十分とはいえません。

たとえば、

・既に契約済みの取引先がある
・見積書を提出して商談中である
・予約件数が増加している
・店舗の顧客数が増加している
・新たな販売チャネルを開始した
・スタッフ増員によって対応可能件数が増える
・新規事業を開始する予定である

など、具体的な根拠を示します。

売上計画については、

単価 × 数量

を基本として積み上げると説明しやすくなります。

4.利益や純資産に問題がないか

売上が少ないことと、赤字や債務超過であることは別の問題です。

売上規模が小さくても黒字で、純資産も十分に残っている会社もあります。

一方、一定の売上があっても、多額の費用が発生して赤字となり、債務超過になっている会社もあります。

出入国在留管理庁が公表している事業継続性の判断では、売上総利益、欠損金、債務超過などを踏まえた考え方が示されています。

そのため、更新前には少なくとも、

・売上高
・売上総利益
・営業利益
・当期純利益
・繰越利益剰余金
・純資産
・現預金
・借入金

などを確認しておきたいところです。


赤字の場合はどうなる?

「売上が少ない」と「赤字」は必ずしも同じではありません。

経営管理ビザの更新では、赤字決算だったからといって、直ちに事業継続性が否定されるわけではありません。

出入国在留管理庁も、事業活動では様々な要因により赤字決算となることがあり、単年度の決算状況のみを重視するのではなく、貸借状況等も含めて総合的に判断するとしています。

ただし、赤字が続き、

・欠損金が増加している
・資金が減少している
・債務超過になっている

といった場合には、事業継続性についてより慎重な説明が必要になります。


債務超過の場合はさらに注意が必要

貸借対照表上、負債が資産を上回り、純資産がマイナスになっている状態を「債務超過」といいます。

出入国在留管理庁の公表資料では、直近期末に債務超過となっている場合について、債務超過の継続期間などに応じて、中小企業診断士や公認会計士等による改善見通しの評価書を求める考え方が示されています。

したがって、

「売上が少ない」

という段階と、

「売上が少なく、赤字が続き、さらに債務超過になっている」

という段階では、更新時の対応が大きく異なります。

更新前には、決算書を確認し、自社がどの状態にあるのかを把握することが重要です。


2025年10月からの新基準との関係

経営管理ビザについては、2025年10月16日に基準が改正され、

・常勤職員1名以上
・資本金等3,000万円以上
・経営者または常勤職員の一定の日本語能力
・経営者の経歴・学歴
・事業計画書の専門家確認

などの新たな基準が設けられました。

一方、改正前から経営管理ビザで在留している方については、2028年10月16日まで経過措置が設けられています。

この期間中の更新では、新基準を満たしていないことだけを理由として直ちに不許可になるわけではなく、経営状況や今後新基準を満たす見込みなどを踏まえて判断されます。

経営管理ビザの新基準と既存在留者の更新に関する経過措置については、出入国在留管理庁の「在留資格『経営・管理』に係る上陸基準省令等の改正について」もご確認ください。

さらに、出入国在留管理庁は、経過措置終了後についても、新基準を満たしていない場合であっても、

・経営状況が良好である
・法人税等の納付義務を適切に履行している
・次回更新までに新基準を満たす見込みがある

場合には、その他の在留状況も含めて総合的に判断すると説明しています。

そのため、これからの更新では、

「今回更新できるか」だけでなく、「次回の更新までに会社をどの状態にするか」

という中長期的な視点も重要になります。


売上以外にも更新時に確認しておきたいこと

売上が少ない場合、売上だけに目を向けがちですが、更新ではほかの事項も確認しておく必要があります。

出入国在留管理庁は、経営状況や納税状況だけでなく、

・労働関係法令の遵守
・社会保険
・雇用保険
・労災保険
・事業に必要な許認可

などに問題がある場合には、更新審査上の消極的要素となることがあると案内しています。

したがって、更新前には、

・法人税等の申告・納税
・社会保険への加入・納付
・必要な許認可
・事務所の継続使用
・常勤職員の雇用状況
・経営者本人の経営活動

についても確認しておくことが重要です。


売上が少ない場合に準備したい資料

案件ごとに必要資料は異なりますが、売上が少ない場合には、次のような資料を整理すると状況を説明しやすくなります。

・直近の法人税確定申告書一式
・決算書
・最新の残高試算表
・月次売上資料
・売上台帳
・請求書、領収書
・取引先との契約書
・見積書、発注書
・預金通帳
・今後の受注見込みが分かる資料
・店舗の予約件数、顧客数、客単価
・ECサイトの販売実績
・Webサイト、SNS等の運用資料
・今後1年間の事業計画
・売上改善策を説明する資料

特に重要なのは、決算後の状況が改善しているのであれば、その改善を直近資料で示すことです。

前年の決算書だけでは分からない情報を、試算表や月次売上データなどで補足します。


更新前に「売上が少ない」と感じたら確認したい5つのこと

1.前年より売上は増えているか、減っているか

単純な売上額だけでなく、推移を見ることが重要です。

2.売上総利益は確保できているか

売上が発生していても、粗利益がほとんど残っていない場合には注意が必要です。

3.赤字・欠損・債務超過になっていないか

決算書の損益だけでなく、貸借対照表も確認します。

4.現在の売上状況は改善しているか

直近の試算表や月次売上を確認します。

5.今後の売上増加を具体的に説明できるか

単なる希望ではなく、顧客数、契約、単価、販売数量などから説明できる状態を目指します。


中小企業診断士・行政書士に依頼するメリット

経営管理ビザの更新で売上が少ない場合には、

「入管申請として何を説明するか」

だけでなく、

「会社の財務状況をどう評価するか」

という視点が必要になります。

中小企業診断士は、決算書分析、事業計画、収支計画、経営改善計画などを扱う経営の専門家です。

行政書士は、在留資格申請をはじめとする行政手続の専門家です。

当事務所では、中小企業診断士・行政書士の双方の視点から、

・決算書の確認
・売上状況の分析
・事業継続性の整理
・今後の売上計画
・経営改善計画
・改善見通し評価書
・経営管理ビザ更新に必要な説明資料

などを整理することができます。

単に「売上が少ないから危ない」と判断するのではなく、財務状況と事業実態を確認したうえで、どのような説明や改善策が必要かを検討します。


当事務所で対応できること

当事務所では、経営管理ビザの更新に関して、特に次のようなご相談に対応しています。

・売上が少なく更新できるか不安
・前回事業計画の売上目標を達成できていない
・赤字決算になっている
・債務超過になっている
・入管から事業計画書や追加資料を求められた
・今後の改善計画を作成したい
・中小企業診断士の評価書を求められた
・行政書士の先生から財務面の評価部分だけを依頼したい

また、行政書士の先生方から、事業計画書や改善見通し評価書などの部分依頼にも対応しています。

原則として、申請者様との直接連絡は必要最小限とし、先生方の業務領域や顧客関係を尊重して対応します。


ご依頼の流れ

1.お問い合わせ

更新期限、現在の経営状況、赤字・債務超過の有無などをお知らせください。

2.必要資料の確認

法人税確定申告書、決算書、最新の試算表などを確認します。

3.財務状況の確認

売上、利益、純資産、借入金、現預金などを確認し、更新にあたって整理すべきポイントを検討します。

4.お見積り・正式ご依頼

必要となる業務内容を整理し、報酬額をご案内します。

5.ヒアリング・追加資料確認

売上減少の理由、今後の受注見込み、改善策などを確認します。

6.事業計画書・評価書等の作成

必要に応じて、事業計画書、経営改善計画、改善見通し評価書などを作成します。

7.内容確認・納品

申請を担当する行政書士の先生がいる場合には、その申請方針も踏まえて調整します。


料金の目安

経営管理ビザ更新において、債務超過などにより改善見通し評価書が必要となる場合の料金目安は、

改善見通し評価書の作成:100,000円(税別)

です。

事業計画書の作成、追加資料対応、経営改善計画の作成などが必要になる場合には、内容を確認したうえで個別にお見積りします。

また、行政書士の先生方からの部分依頼にも対応しています。


まとめ

経営管理ビザの更新では、売上が少ないからといって、それだけで直ちに更新できなくなるわけではありません。

重要なのは、

・実際に事業を継続していること
・売上が少ない理由を説明できること
・会社の財務状態を把握していること
・今後の売上や利益の改善見込みがあること
・納税や社会保険など経営者としての義務を履行していること

です。

特に、売上減少に加えて赤字や債務超過が発生している場合には、更新前に決算書を確認し、必要な説明資料や改善計画を早めに準備することが重要です。

また、現在は経営管理ビザの新基準への経過措置期間中です。

「今回の更新を通過すること」だけではなく、次回更新までにどのような経営状態を目指すのかも含めて準備していく必要があります。

経営管理ビザの更新で売上、赤字、債務超過、事業継続性などに不安がある場合には、中小企業診断士・行政書士の視点から財務面と申請実務の双方を踏まえてサポートいたします。


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