
このたび、創業を予定されている方や、創業に関心のある方を対象とした「創業ガイダンス」において、講師を務めました。
今回のガイダンスでは、創業に向けた基本的な考え方、事業アイデアの整理、事業計画の作り方、創業時に確認すべきポイントなどについてお話ししました。
創業を考える際には、「やりたいこと」や「提供したい商品・サービス」からスタートすることが多いと思います。
もちろん、創業者自身の思いやアイデアは非常に重要です。
一方で、事業として継続していくためには、顧客は誰か、どのように売上を上げるのか、必要な経費はいくらか、資金繰りは成り立つのかといった点を、具体的に整理していく必要があります。
創業時に大切なのは「思い」と「数字」の両方です
創業支援の現場で感じるのは、事業への思いや熱意はあっても、それを事業計画として具体化する段階で悩まれる方が多いということです。
たとえば、次のような点です。
・誰に向けた商品・サービスなのか
・どのような課題を解決する事業なのか
・競合と比べた特徴は何か
・どのように顧客を獲得するのか
・売上はどのような根拠で見込むのか
・開業時に必要な資金はいくらか
・毎月どの程度の経費がかかるのか
・事業が軌道に乗るまでの資金繰りは大丈夫か
創業時には、どうしても「売上を伸ばしたい」「早く事業を始めたい」という気持ちが先行しがちです。
しかし、実際に事業を継続するためには、売上だけでなく、経費、利益、資金繰り、集客方法、事業体制まで含めて考える必要があります。
今回のガイダンスでも、創業アイデアをどのように事業計画へ落とし込むかという点を重視してお話ししました。
事業計画は「融資や申請のためだけの書類」ではありません
創業時の事業計画書というと、金融機関から融資を受けるため、補助金を申請するため、許認可や在留資格申請のために作る書類というイメージを持たれる方もいます。
もちろん、外部に事業内容を説明する資料として、事業計画書は重要です。
しかし、本来の事業計画書は、創業者自身が事業を整理し、実行していくための道具でもあります。
事業計画を作ることで、
・自分の事業の強みが明確になる
・顧客や市場を具体的に考えられる
・必要な売上や利益の水準が分かる
・開業時に必要な資金を把握できる
・事業開始後の行動計画を立てやすくなる
・リスクや課題に早めに気づくことができる
といった効果があります。
単にきれいな書類を作ることが目的ではなく、実際に事業を進めるために使える計画にすることが大切です。
創業支援で重視していること
今回のガイダンスでは、創業に関する基本的な考え方をお伝えするとともに、参加者の皆さまが自分自身の事業について考えられるよう、ワークやディスカッションも交えて進めました。
創業支援において、私が特に重視しているのは、次の3点です。
1. 事業内容を具体化すること
まずは、「何をする事業なのか」を具体化することが重要です。
業種名だけではなく、誰に対して、どのような商品・サービスを、どのような方法で提供するのかを整理します。
事業内容が具体的になると、売上計画や集客方法、必要な設備・人員も考えやすくなります。
2. 数字に落とし込むこと
創業計画では、売上・経費・利益・資金繰りを数字で整理することが重要です。
「なんとなく売れそう」「これくらい利益が出そう」という感覚だけでは、事業の実現可能性を判断することはできません。
商品単価、販売数量、顧客数、固定費、変動費、初期投資、運転資金などを整理し、事業として成り立つかを確認します。
3. 実行できる計画にすること
事業計画は、作って終わりではありません。
計画に書いた内容を、創業者自身が実行できることが重要です。
そのためには、売上目標だけでなく、具体的な営業活動、集客方法、準備スケジュール、必要な協力先なども考えておく必要があります。
事業計画の考え方は、経営管理ビザや補助金申請にも通じます
今回の創業ガイダンスでお話しした「実現可能性のある事業計画づくり」は、創業時だけでなく、さまざまな申請や経営支援の場面でも重要になります。
たとえば、外国人の方が日本で会社を設立し、経営管理ビザの認定申請を行う場合にも、事業計画書の内容は非常に重要です。
事業内容、売上計画、経費計画、資金計画、事業所、人員体制、申請者本人の経営者としての役割などを、具体的かつ合理的に説明する必要があります。
また、補助金申請においても、単に「補助金をもらいたい」というだけではなく、事業者自身が事業の方向性を考え、実行可能な計画を作ることが重要です。
当事務所では、単なる書類作成ではなく、事業の内容や実現可能性を整理したうえで、申請や計画作成をサポートすることを大切にしています。
中小企業診断士・行政書士としての支援
当事務所では、中小企業診断士・行政書士として、創業支援、事業計画作成、経営管理ビザ関連書類、許認可申請に関連する評価書・診断書の作成などに対応しています。
特に、行政書士業務と中小企業診断士の専門性が重なる分野では、事業計画の具体性や財務面の説明が重要になります。
たとえば、
・経営管理ビザ認定申請における事業計画評価書
・経営管理ビザ更新申請における改善見通し評価書
・赤字決算や債務超過がある場合の経営改善計画書
・産廃許可等で債務超過の場合の経営診断書
などは、事業計画や財務分析の視点が求められる業務です。
今後も、創業支援や事業計画作成の現場で得た知見を活かしながら、実務に役立つ支援を行ってまいります。
創業ガイダンスを終えて
今回の創業ガイダンスでは、参加者の皆さまが前向きに取り組まれており、創業に向けた意欲を感じる機会となりました。
創業は、事業者自身の思いや挑戦から始まります。
一方で、事業を継続していくためには、思いだけでなく、顧客、市場、売上、経費、資金繰り、実行体制を具体的に整理していくことが必要です。
当事務所では、今後も中小企業診断士・行政書士として、創業者や中小企業の皆さまが、実現可能性のある事業計画を作り、着実に事業を進めていけるよう支援してまいります。
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